実は、オオカナダモが復活し
毎年咲き乱れるようになってからも、
「良い水をつくる装置」の研究開発は
行い続けていました。
ここには中根博士を通じて知り合い、
のちに私の盟友となる木津龍馬さんとの
共同研究の日々もありました。
この間に得た知見は次の3点です。
①装置中は右旋回乱流を発生させると良いこと。
②装置中のセラミックの原料は、地球の地殻本体の花崗岩と植物化石由来のシリカが良いこと。
③セラミックは、大量に入れるのではなく、装置の中を三段に区切って適正な数を充填すること。
これらを踏まえながら
木津さんと試行錯誤を重ねまして、
ついに右旋回乱流を発生させるプレート弁と
2種類のセラミックによって
構造水が出来る技術を開発したのです。
ここに、ようやく「良い水をつくり装置」が
完成したことになります。
この技術は木津さんとの連名で特許申請し、
特許は苦心の末
2010年4月9日に承認されました。
私は、この装置に、
水が持つ本来の力を取り戻し、土を、作物を、様々な生き物を活き活きとさせ、
本当の意味での自然と私たち人間との
共生社会の礎をつくってほしい、
そんな願いを込めて、
「水つくり」と名付けました。
瓢箪池で60匹の金魚が死んでしまったのは、
池の水がちょうどこの「水つくり」を
通過した水に切り替えた時でした。
“一体これはどういうことなのか”
それを考えている時に閃いたのが、
内水先生と北海道の小清水町で取材中に見た
裏摩周湖の「神の子池」、
アイヌ語で「ポンコロカムイ」でした。
摩周湖の裏にあるこの池には倒れ込んだ木が
そのまま何年も腐らずに沈んでいて、
魚などはほとんど棲息していません。
私は訪れた当時唖然としていましたが、
内水博士はこの池を見て
「これが自然が作る最高の水である。もっと水が緩まないと魚などは生きられないのだ。」と
仰っていました。
実際に、「神の子池」から流れる小川を辿ると、100mほど下流に小さな魚影を
見ることが出来ます。
私の師である瓢箪池は、ポンコロカムイの記憶を呼び起こしたのでした。
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