プラ協、3つ目のテーマである
「プラスチックごみの適切な処理方法を見つける」は
まず、現場の実情を知るところからはじめました。
経済成長に合わせ、今まで紙や木材で作られていたものが
一気にプラスチックへと変わっていました。
どんどんと暮らしに広がるプラスチックですが
それらがごみとなった時の処理方法は、各自治体の判断とされていました。
そこで協会は全国の自治体からアンケートを取ったのです。
家庭から出されるプラスチックごみを
どのような処理しているのか集計したところ
各自治体が抱える問題が浮き彫りとなり
地球環境と人々の安全な暮らしのためにも
早急な解決が必要であることもわかったのです。
まず、東京や大阪、福岡などの人口の多い大都市では
約60〜70%が焼却処理され、残りはそのまま埋立地へ。
それ以外の地方自治体では、ほとんどが埋立処分されていました。
都市部の自治体は、新しいごみ焼却場の建設を進めようとしていましたが
周辺住民の反対運動などで、進展しない状況が続いたのです。
しかし、新しいマンションやビルが次々と建てられて
人口が増加すると共にごみの量も増えました。
それはそのまま埋立処分され、周辺の環境は悪化する一方でした。
場所がありそうな地方でも大きな問題があがっていました。
まず、当時、稼働している焼却施設は数が少なく、
そのほとんどが紙や木材を燃やすための古い焼却炉でした。
プラスチックごみを安全に燃やすためには高温処理が必要なため、
無理に温度を上げた結果、故障が頻発するようになり、建て替えが急がれていました。
当時、自治体から集まった声として、
埋立地の現場からは
生ごみや紙類や木くずがだんだんと自然発酵していくと、その熱がプラスチックごみ移り、火災の原因になること。
埋立て場所は間もなく満杯となり、次の予定地が見つからないこと。
埋立地からしみ出した汚水が、地下水や川、海へと流れてしまい、水質汚染になっているが、どのような対策をしていいか分からず困っている。
焼却処理の現場からは
プラスチックごみが増えてたことで、紙や木材がメインだった頃に比べ、ごみ全体の水分が減り、焼却温度が高くなった。その結果、故障が増えて困っている。
アルミ缶が溶け、ストーカ(階段状になった焼却装置)にくっ付いて故障の原因になっている。
焼却残渣である灰の埋め立て先が見つからない。
など、検討会議に集まった全国からの報告は、惨憺たるものでした。
大手の焼却炉メーカーが
東京、大阪、福岡、札幌の4都市にごみ処理施設を新たに作り、
「順調である」と報告をあげてきましたが、協会での視察の結果、
排ガスの処理、処理前のごみ分別、焼却残渣の処理と埋立地の整備、
と検討すべき点が次々とあげられてきました。
当時の日本のごみ処理レベルは、技術的にも社会システムとしても
まだまだ、未熟だったのです。
プラスチックごみの問題は、他の全てのごみ問題と
一緒に解決しなければならない問題で有ることがはっきりしたのです。
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